劣等感

何かを通じて人を知る。その何かがキラキラとしていればしているほど、自分の劣等感が深まっていく、自分には何もないと自覚する。小説、音楽、映画、絵画、詩篇、写真。どれもこれも自己表現の一手段。だけれど自分にはどの才能もない。何かを見てそれを自覚する。ただ見て、聴いて、憧れて、それで終わり。そこから先へ踏み込む勇気も意欲もない。踏み込める奴だけが入ることの出来る世界に、俺は入れない。そこがとてもキラキラとして綺麗で美しくて、自分もそうなりたい、そこへいきたいと思っても、なぜかそこに行くことはない。
そうしてまた今日も劣等感を抱きながら、日が暮れるのを待つわけだ。明日陽が昇ったら自分が変わってるんじゃないかという幻想を抱きながら床につくわけだ。