徘徊

なぜだか急に部屋の中にいることが後ろめたくなって部屋を飛び出した。
雨の中、知らない道をうろうろと。道を行き、辻を曲がり。スニーカーはすぐに水を吸い込んで、靴下も濡れ、歩くたびにグシュグシュと音がした。
いつまで経っても部屋へ戻ろう、戻りたい、そんな気持ちにはなれなかった。トイレに行きたいという生理的欲求さえなければ、この部屋に戻ることはなかったかもしれない。その場合、俺はどこへたどり着いていたんだろう。