広角レンズとCGI

CGモリモリの映画とか見てて、なにかひっかかる点があったのだけれども、何となくそれが何なのか分かった。自分が始めてカメラの広角レンズを手に入れた時と同じ、モチーフの散漫さ加減だ。
広角レンズって広い視野を確保できるから、ファインダーの映像と自分の心で捉えた映像とがマッチしやすい。だからといってただその場でパチリとシャッターきると、漫然、のっぺり、薄っぺらで、なにを訴えんとするのか定かでない映像になってしまう。望遠・マクロレンズと違って、意図的に、前・中・後のレイヤーを構図しないとダイナミックさは生まれない。ようは道具の使い道を間違っていたのだ。
CGモリモリの映画も、せっかく得た道具なのに適切な方法論が適用されず、散漫とした「どこを見ればいいのか分からない」映像になってしまってる気がする。とくに「ありえない映像」を作ろうという意思が見えるものほど、その傾向が強いように思える。