読書

グミ・チョコレート・パイン パイン編/大槻ケンヂ

読了。今年の初め、初版の時点で一回読んでいたが、思うところあって再読してみた。 作品として大好きであるし、よく出来てるし、面白いし、楽しいし。 だけど。 物語のように都合の良い巡り合せなどない。そんな諦観だけが読後に残った。あぁ…。

メカフィリア/押井守[著], 竹内敦志[画]

モデルグラフィックス誌に連載されていた、押井守のメカニックデザイン論を説いたというか言い訳してるムック本である。 一部ムック化にあたって校正されてはいるが、内容はあらかたMG誌に連載していた時に読んでいたのでダラダラと斜め気味に読む。むしろ連…

写真作法/土門拳

きれいな仕上げは用はない。ぬめら調などドブへ捨ててしまえ。写真の白黒がそれ自身の絶対性において、火柱の立つ人間的リアリティで裏づけされたときこそ、近代的な、今日的なトーンとして、粒子として輝くであろう。 父親から、「良いと思った写真は彩度を…

起動警察パトレイバー1〜21/ゆうきまさみ

小学生の頃、自分の中に「かっこいい」を埋め込んでくれた漫画を再読。青年の成長、人間関係、善と悪、知略と暴力、もういろいろ詰まっていてそれらに一つのミスもない。完璧で重厚で。それでいて重苦しくなく明るい人間ドラマが描かれている事を改めて思い…

写真作法/土門拳

相変わらず書いてあることが難しくて理解し飲み込むのに苦しむ。 「当たるとして予定されていないけれども、一応当たるかも知れないという予定で買った一枚の宝くじと同じです。当たると決まっていれば誰でも買うけれども、めったに当たらない。しかし当たら…

写真作法/土門拳

マチエール、エマルジョン、テンペラマン、モチーフ。色々な言葉が乱舞するが、最終的に残ってくるのは土門拳がどう写真と対峙していたのか、という事だけ。それが非常に印象に残るものの、それを丸呑みにしてしまうと自分の写真は何なのか、という疑いが生…

宮沢賢治著/猫の事務所/青空文庫

猫が歴史を調べたり地理を調べたり女子中学生のようなイジメをしたり。いまいちオチが理解できないけど、とりあえず猫がユーモラスに描写されてて良かった。「魔女の宅急便」のジジみたいなのを想像した。風邪を引いた後の窯猫(シャム猫?)の、事務所内での…

宮沢賢治著/グスコーブドリの伝記/青空文庫

わりとお子様向けに書かれた文体だったけれど、自己犠牲と自己完結を両立させるという実のある話で、とても引き付けられた。世間がブドリを必要としていたわけじゃない。ブドリが生きていく上で世間との結節を望み、必要としていたのだ。だからブドリは世間…

MOON LIGHT MILE 7/太田垣 康男/ISBN:4091862578

EVA用のロボットが出てくるけど、いきなりカッ飛んだ設定だったのでゲンナリする。 初期の話は現在の宇宙開発の延長線上にある事が強く意識できたけど、月面に到達してから何に対して挑戦しているのか明確じゃなくなってしまって、エネルギーが分散しちゃっ…

Avalon 灰色の貴婦人/押井守/ISBN:4840107424

絶賛するほどじゃないけど、読んで損はない作品だった。同名の実写作品は公開当時に劇場に見に行って、ちょっと首を傾げてしまったが、この作品の方は全体像が分かりやすくスッと入ってくる感じがした。この作品を経由してもう一度実写の方を見ると味を感じ…

ブラックジャックによろしく(7)/佐藤秀峰/ISBN:4063289176

読んでる最中ずっと重低音のノイズを聞かされてるような気分がして、流し読みしかできなかった。既刊の同タイトル全編にわたって、息抜きがなさすぎ。作者さんが鬱になって苦悩するんじゃなかろうか。ホスピスの取材をしたウチの親父も鬱になりかけてた事が…

EDEN(10)/遠藤浩輝/ISBN:4063143341

9巻で話が民族紛争に傾倒しはじめたので話が収束するのかと思いきや、あいかわらず気まぐれなストーリー展開をブチかましてらっしゃる。なんとなーく中学生が考えそうなセリフとか設定とかに、ちょっとだけウンザリ。イキオイで始めちゃって収集つかなくなっ…

時間泥棒/ジェイムズ・P・ホーガン/ISBN4-488-66312-5

面白い! 時間モノのSFって、よく分からない横文字で屁理屈をゴネるか、それを舞台道具にして関係の無いことをしゃべってる事が多く感じるけど、これは本当にセンスオブワンダーを感じた。時間モノではあるけれど、そこはかとなく宇宙の匂いを感じる事がで…