グミ・チョコレート・パイン パイン編/大槻ケンヂ

読了。今年の初め、初版の時点で一回読んでいたが、思うところあって再読してみた。
作品として大好きであるし、よく出来てるし、面白いし、楽しいし。
だけど。
物語のように都合の良い巡り合せなどない。そんな諦観だけが読後に残った。あぁ…。

徘徊

なぜだか急に部屋の中にいることが後ろめたくなって部屋を飛び出した。
雨の中、知らない道をうろうろと。道を行き、辻を曲がり。スニーカーはすぐに水を吸い込んで、靴下も濡れ、歩くたびにグシュグシュと音がした。
いつまで経っても部屋へ戻ろう、戻りたい、そんな気持ちにはなれなかった。トイレに行きたいという生理的欲求さえなければ、この部屋に戻ることはなかったかもしれない。その場合、俺はどこへたどり着いていたんだろう。

メール

メールをダウンロードするのが怖い。会社から辛辣な内容のメールがきているのではないかという疑念と不安に苛まされる。
過去、上司からの電話攻勢を受けて、以来ノイローゼ気味かつ電話恐怖症になってしまった。今度はメール恐怖症か。プッシュ型のコミュニケーションは全部だめになりそうな予感がする。

悪い夢

迫害される、あるいは逃げ続ける夢を見た。女性と自分と二人きり、人々はなにかの病気に冒されていて暴徒と化し、正気を保っている自分達に襲い掛かってくる夢。デビルマン? 28日後? ドーン・オブ・ザ・デッド

言葉

昔々、小説を書いていた中高生の頃にくらべて、ボキャブラリが減ったような増えたような、奇妙な感覚がある。たぶん言葉の趣味が変わってきて、頭のなかで入れ替えが発生しているんだろうな。
蓄積ではなく入れ替えというのが、どうにも勿体無い気がしてならない。